ドラゴンズの優勝を夢見るdragonです。
以前の記事でドラゴンズの低迷の一つの要因で打撃面について、改善のポイントについて考えました。育成に問題があるのか、采配に問題があるのかという話をしました。
今回は前回の記事で話題にした打順についてシミュレーションを行い、現在のドラゴンズの打順の善し悪しを評価しました。
今回初めて私の記事を目にし、なぜ打順のシミュレーションを行っているか気になる方は以下の記事に記載しているのでぜひご確認下さい。
結論から言うとシミュレーションの結果、2,025年シーズンで多くの試合を戦い抜いてきた打順はある程度評価できるということです。ただ改善の余地はあります。
なんとも切れ味の悪い結論ですが、さっそく詳しく見ていきましょう。
私のシミュレーションの特徴
野球は、1打席ごとに何かしらの結果が生まれ記録に残ります。この記録はこの打者の平均値にあたります。なので、確率密度分布の山は、当然この平均値のところがもっとも起こりやすいところといえます。
そこで、過去の1年ほどの選手のデータをもとに、各打席の結果の確率をプログラムに読み込ませ、次の打席がその確率分布に従うように計算するシミュレーションプログラムを考えました。
そのため、試合数を重ねればより総得点も真の平均値に近づき打順の評価ができると言うことです。
また、確率に基付いて計算しているだけなので、多くの方にも理解してもらいやすく野球界(特に日本野球界)に変化を与えられるのではないかと期待しています。
シミュレーション条件
シミュレーションはPythonで自作したプログラムコードを用いて行いました。
何をシミュレーションしたかというと考え得る打順ごとに1試合平均の得点数です。
詳細のシミュレーション条件は以下の通りです。
- ルールは通常の野球のルール(9人、9イニング制)と同じ
- 送りバント、犠牲フライ、エラーなどなし
- ランナーの進塁は野球盤に同じ(例:シングルヒットで一つ進塁する)
- 打者の打撃成績を各打席結果の確率とし、毎打席確率に従うようにした
- 打者の打撃成績は2025年中日ドラゴンズの特定の野手9人の打撃成績をもとにした
- 1番から打席を回し、9イニングが終わったときの得点を記録
- それをn回(n試合)繰り返し平均得点を求める
- 9人の打順の総数である9!通り分シミュレーションを行い平均得点を比較
まだ、シミュレーションプログラムは試作途中なことはご了承下さい。
今回過去の記録から計算した打率などの確率データは以下の通りでした。

今回のシミュレーションではn=500、つまり500試合分の総得点数を計算し、そのあとに1試合換算しています。ですので、確率はある程度収束しているといえます。
シミュレーション結果
シミュレーションの結果以下に示します。
まず、打者9人の順列である9!(=362,880)通りについて全て計算したので、その中からA) 2,025年シーズンでよく見た打順と、B) 最高得点を記録した打順をピックアップしました。
A(現在の打順) | B(最高得点) | |
1番 2番 3番 4番 5番 6番 7番 8番 9番 | 岡林 田中 上林 細川 ボスラー 福永 山本 石伊 大野 | 上林 細川 福永 岡林 山本 田中 ボスラー 大野 石伊 |
そして、それぞれの打順が記録した得点と、全ての打順のうちの何位なのかまとめました。
A | B | |
得点(1試合換算) | 3.97点 | 4.40点 |
順位(?/362,880通り) | 23,338位 (上位6.4%) | 1位 |
この表からわかるとおり2,025年で戦った打順Aの順位は桁が大きくわかりづらいものの、全体の6.4%の位置であることから、ある程度評価できる打順であったことがわかります。
しかし、最高順位の打順Bとの得点差を見ると0.4点以上離れており、ペナントレース143試合で見ると、1年の総得点には60点ほど差があることになります。
この60点がどのくらいの差であるか説明している記事があるので、気になる方は以下の記事をチェックしてみて下さい。
また、打順Bの各選手を見ると4番に岡林選手が位置しており既存の考え方のもとでは全体に配置しない位置にいます。
ここがある意味、人間における主観的な考え方とデータが導く客観的な結果の違いと言えるでしょう。
まとめ
今回は以前の記事でも触れたドラゴンズの打順は正しいのかについて、自作のシミュレーションソフトを用いて評価してみました。
結果は、考えられる全ての打順の内、上位約6%の得点能力をもっているという結果になりました。
意外といいなと思った結果が得られましたがまだまだ得点能力を上げる余地はありそうなので今後もドラゴンズの打順に注目していきたいです。
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